中学受験

中学受験の社会の得点のあげ方

中学受験の社会で、テストの得点をあげるためには、知識をつなげて覚える必要があります。日能研やサピックスの試験の成績で、社会の偏差値が50以上伸びない児童と、偏差値65の生徒の差は、社会のさまざまな知識がつながって入っているか、ばらばらのままで入っているかの違いから生まれるものです。暗記が苦手だとか、覚えている知識の総量が少ないということよりも、知識がつながっているかどうかを確認してみましょう。
たとえば歴史なら、足利尊氏が開いた幕府が足利幕府であり、場所は京都の室町であるということ、鎌倉幕府の次に来ること、鎌倉幕府は神奈川県鎌倉に開かれていたこと、というように知識が連鎖しているかということです。歴史ならば、時代や事件やできごとの流れも重要です。そして、歴史の流れは、さまざまなできごとや事件を関連付けて覚えていなければ把握できません。

暗記の仕方としては、コア記憶を作ることが重要です。これは雪だるまを作るのと似ています。雪だるまは、まず初めに小さな雪玉を作り、それを雪の上で転がして大きくしていきますね。暗記でたくさんのことを覚えるのもこれと同じです。初めに、中心となる重要事項を暗記します。この暗記したものをコア記憶とし、このコア記憶と他の知識を関連付けて覚えていきます。「コア記憶=雪玉」であり、雪玉が大きくなって雪だるまになっていくのが、コア記憶と関連付いて知識の量が増えていくということです。

たとえば、鎌倉時代の開いたのは源頼朝、その妻が北条政子というのがコア記憶です。源頼朝が政治のしくみの特徴の守護・地頭などがコア記憶とつながって増えていく知識です。北条政子のコア記憶も北条氏の執権政治、北条泰時などと知識が増えていきますね。

他には、記憶しやすいもテキストを選ぶことも重要です。イラスト、写真、図、表、資料などが豊富にあり、わかりにくいことがらは、図解を用いている参考書があればいいでしょう。そうした参考書を読めば、理解が深まり、重要事項が覚えやすくなります。
そして、こうした特徴を持つ最も適した参考書は、学研の「?に答える! 小学社会 (教科書の基礎から入試対策まで。小学3~6年 小学パーフェクトコース)」です。この参考書は、漢字の全てにルビがふってあり、習っていない漢字でも読めるようになっています。
文字も見やすい大きさですし、活字体も美しいので、小学生で好奇心の強い子だと、小学3年生のうちから気にって読むと思います。暗記一辺倒でなく、学習内容の理解に重点をおいた参考書になっています。自由自在などと違って文章が平易なので、読みやすく理解しやすいです。社会の成績をあげるだけでなく、地頭をよくするのにも役立ちます。

ちなみに、「?に答える! 小学理科 (教科書の基礎から入試対策まで。小学3~6年 小学パーフェクトコース)」もお薦めです。中学入試の理科と社会は公立中学校で習うことを中学入試で出題するという特徴があります。ですから、中学入試のための参考書は、公立中学校に通う中学生でも十分利用できるものになっています。私の塾では、理科が苦手な生徒には、学習内容のイメージや概略を把握させるのに、この本を塾の授業時間に5分ほど読ませます。読ませた後だと、すらすら勉強がすすみます。この参考書が非常に分かりやすく、興味をもてるような作りになっているからうまくいくのだと思います。

そして、社会の暗記はアウトプット、すなわち問題を解くことも重要です。参考書を1回読み、理解に努めたら、あまり覚えていない状態でも、問題集の問題を解く、また、参考書に戻って読み、暗記に努める、そしてまた、問題集の同じ問題をもう一度解くというように、参考書の暗記と問題集の問題を解くことをサンセットにして、3セットから4セット繰り返すと、暗記がしやすくなります。これは人間の脳の記憶のメカニズムが、覚えようとするときよりも、うろ覚えであっても覚えたものを思い出そうとしたときのほうが暗記しやすいからです。そして実際に思い出せたとき、思い出した記憶は1年たっても忘れにくい長期記憶になるのです。問題集の問題を解くというのは、「あれは、なんだっけ?」と思い出そうとする行動なので、重要事項の暗記、それも長期の記憶化という点でとてもプラスなのです。

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