私は中学受験の塾で10年近く働いていました。その経験上言えるのは、御三家中や早慶の付属中や系列中や女子御三家中や国立付属中に子どもが合格する家庭は、父親か母親、あるいはその両方が子どもに中学受験の算数を教えることができました。
教えることができるというのは、物理的な時間があるという意味だけでなく、親自身が、中学受験の算数の応用問題を解く力を持っているということでした。親自身が中学受験用の算数の参考書や問題集を購入して、それを使って勉強して解き方を身につけ、子どもに分かりやすく丁寧に教えていました。
例外があって、非常に裕福な家庭だと、塾以外に家庭教師をつけて、塾の勉強のフォローをしていました。家庭教師の見つけ方は、家庭教師の派遣の会社を利用するのではなく、知人の紹介や、私の塾の教室長にこっそり紹介してもらっていました。
子どもを難関中学とまではいかなくても、そこそこの私立中学に進学させたいならば、親自身が算数の勉強をして教えるのがよいと思います。教育費が節約できるだけではなく、子どもは親に教わった方が学習意欲が高まるからです。
それでは、どんな参考書を使って勉強したらいいのでしょう。
それは、「中学入試 三つ星の授業あります。 算数【計算・文章題】」と「中学入試 三つ星の授業あります。 算数【図形】」です。2017年と2018年に発売された新しい本です。大学入試の参考書ではおなじみの、先生と生徒らの対話形式の内容になっています。問題の網羅度はほぼ完璧です。自由自在や応用自在と同程度網羅しています。小学生の算数は線分図や面積図を書いて解くことが多いのですが、その線分図や面積図はなかなかうまく書けないものです。これらさえ書ければ、算数の応用問題はかなり易しくなります。「中学入試 三つ星の授業あります。 算数【計算・文章題】」は、線分図や面積図が素早く上手に書けるように丁寧にレクチャーしています。
対話形式なので、算数を解く力だけでなく、親が子どもに教えるときの教え方のポイントも把握することができます。この参考書の先生のように、この参考書以外のさまざまな問題を教えると良いのです。
気になるところは、この参考書を使っての偏差値の到達点です。この参考書のみですと、サピックスや日能研の模試での偏差値50ぐらいです。偏差値56以上をめざす場合は、この参考書で応用問題を解く力の土台を作り、難度の高い問題で積み上げていくとよいでしょう。子どもがすでに偏差値55を超えている場合でも、苦手な分野はあるものですから、手元に置いておくとよいでしょう。苦手な分野というのは、土台の部分での理解が浅いことがありますから、そうした土台の部分をしっかりの理解すれば、応用力が一気に伸びます。
これらの本はアマゾンや楽天から入手できます。
中学入試 三つ星の授業あります。 算数【計算・文章題】
小杉拓也 学研プラス 2017-07-25
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中学入試 三つ星の授業あります。 算数【図形】
小杉拓也 学研プラス 2018-07-31
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