高校受験

才能があると高校受験で失敗する

理解力もある、暗記も得意という生徒のほうが、かえって受験に失敗しやすいものです。理解力と暗記力が備わっていれば普段の勉強もそうそう困らないし、学校での定期テストは常に上位、実力テストも安定した成績を修めるでしょう。いわば勉強しなくてもできる生徒です。

 

ですが、ここの落とし穴があります。勉強しなくても良い点がとれてしまうために、勉強の習慣がありません。その地域でのトップの公立校を必死に狙わず、ナンバー2の高校でいいかなと思っていると、さほど勉強はしません。

 

けれどもどんな優秀な頭脳でも、習ったことは時間がたてば必ず忘れます。受験勉強というのは、この忘れてしまったことを覚え直す作業でもあります。普通の人ならば3か月、6か月、9か月とある程度の時間が過ぎれば、習ったこともいろいろと忘れてしまします。実力テストでも思わぬひどい成績をとってしまいます。そこで「まずいな」ということで勉強をします。

 

記憶力のいい人はなかなか忘れないので、実力テストの成績もいいままです。ですが、入試が近づいた時、ようやくいろいろ忘れてしまうことが起こるのです。勉強をしないから、自分がいろいろと忘れているのにも気づきません。勉強の習慣がないから、暗記しなおすという作業がないので、急激にいろんなことを忘れてしまうのです。この急激にいろんなことを忘れる時期と入試の日が重なったら、合格点は望めません。

 

勉強をする習慣がないと、長い間、記憶を保っていても、その記憶が薄れることに気づくのが遅くなり、また気づいても、覚え直すことがありすぎて間に合わなくなってしまうのです。長い間、記憶を保つ能力があり、勉強に苦労しないだけの能力もあるから、こうした失敗が起こるのです。

 

ちゃんと覚えていて、良い点数をとっていても、学力のチェックは必要です。暗記しなおす作業をまめに行えば、記憶はさらに伸びるし、受験直前にいろいろ忘れてしまうことはありません。