本を読まない生徒
本を読まない生徒は、国語が苦手であることが多いようです。それでは、本を読まない生徒はなぜ、国語が苦手になるのでしょうか?
本を読む速度が遅いことが原因
その1つは、文章を読むスピードが遅いために、試験時間内に問題を解き終えることができないからです。時間内に解き終えることができるとしても、ぎりぎりであったりするので、選択問題で正答を吟味したり、記述問題でより良い解答を書くことができないからです。
読書で読む速度を上げる
これに対しては、読書の習慣を身につけ、普段から活字に親しむことで、試験のときに文章を読む速度があがります。
頭の回転が速い生徒は、本を読むことがほとんどなくても、文章を読む速度は速いです。頭の回転が速くない子どもでも、読書の習慣を身につけることで速くなります。最初は、自分の好きなジャンルの本や、読みやすい物語や小説を読んで活字に慣れるところから始めましょう。学年が低いほど、読書による効果は大きくなります。小学校低学年や中学年の児童は、英語の勉強よりも、本を多く読むことの方がお薦めです。読書に時間をかけた方が、将来の学力の伸びしろが比較にならないほど大きくなります。
中学3年生や高校3年生など受験勉強が忙しい時期の生徒は、読書の時間を確保するのが難しいので、国語の入試問題をできるだけ速く読み、問題を解く実戦的な訓練をしましょう。ただし、これは受験期の生徒だけです。問題を解くことでの速度アップより、読書での速度アップの方が脳そのものを鍛える効果が大きいからです。
速読は、実は高度な技術ですので、速読での文章を速く読む訓練は、中途半端に終わります。読む速度は少し速くなるけれども、文章内容の正確な理解が、速読を心がけることによってかえって不安定になります。正確な理解ができなければ国語の成績は下がります。中途半端な速読の訓練によって国語の成績が悪くなるのです。
読解問題の文章の内容が理解できないことが原因
国語の文章問題は、その文章に書かれている内容について、背景知識をどれだけ持っているかが重要になってきます。たとえば、国語の文章問題で、鎌倉、室町、江戸といった封建社会での農民の暮らし、生活においての価値観について書いてあったとしても、日本の歴史に興味がなくて封建社会の農民の暮らしの知識がなかったなら、文章の内容への理解は弱くなります。地球温暖化についての文章問題で、化石燃料やプラスチックや二酸化炭素の発生や太平洋諸島で暮らす人々の知識が少なければ、文章理解は不十分になります。当然、正答を得られない問題もでてきます。
多読によって系統立てられた知識を多く身につける
文章に書かれている内容と関連した知識、いわゆる背景知識を多く持つようにしましょう。これはさまざまなジャンルの本を読み、知識量を増やすことで達成されます。本は読みやすく、易しい本で構いません。中学生や高校生が小学生向けの本を読んでも構いません。断片的ではなく、相互に関連性のある系統立てられた知識をたくさん手にいれればいいのです。易しい本を多読することがポイントです。知識のストックがまずまずできてきたら、高い難度で書かれた本に切り替えればいいのです。
意味の分からないことばが多い生徒
子どもの頃の生活で、親とのおしゃべりやテレビ番組をみて楽しむことよりも、庭や公園で走り回ったりするなどしたほうが好きであるとかの子どもに多い傾向があります。ことばを聞き、ことばを発する機会が少ないために、意味の分からないことばが若干多くなるのです。
この若干というのが文章理解の大きな妨げになります。文章を読んでいて、100語あたり4語ほど意味が分からない単語があると、その文章全体の理解が困難になると言われています。
対策
こちらもやはり、読書がお薦めです。また、娯楽にしてもゲームよりもテレビを見たりすることのほうがよいでしょう。ことばに接する機会を増やすのです。
他には本を読んでいて意味の分からないことばは辞書で調べる習慣をみにつけるようにしましょう
理数系が得意だが国語が苦手だという生徒
理数系の科目への興味はあるが、国語への興味は弱い生徒の特徴と対策
どの教科も満遍なく勉強すれば同じ程度に得意になるのだが、理数系への興味が強すぎて、国語の勉強が疎かになる生徒というのがいます。こちらは、まず初めは、国語の勉強でも理科の内容と被るものを選んで行うと良いです。自然科学系の説明文の読解問題ばかり選んで解いて、国語の勉強になれるといいでしょう。また、自然科学系の本を読むのもいいでしょう。得意科目はあって、国語は興味が湧かないだけですから、興味さえ湧けば国語も強くなります。
理数系は得意だが国語は頑張っても伸びない生徒の特徴と対策
理数系は得意だが、国語は苦手である、また、苦手な国語も理科や数学のように頑張ったが成績が伸びない、という生徒はかなり少数ですが確実にいます。脳の特性のようです。アインシュタインは、物理学に関しては人類最高の頭脳の持ち主で、死後100年経っても全く色あせることのない物理の理論を立てましたが、国語や語学は苦手だったようです。4歳までしゃべることができなかったようです。一方数学は得意で、小学6年生のときは、高校生が学ぶ数学を家庭で勉強していました。
ラテン語が苦手なために大学受験に失敗し、どうにもならなかったところを知人の紹介でとある大学に入学しました。裏口入学ではなく、今でいうところの推薦入学みたいなものでしょう。数学が得意だったために入学できたんです。
対策としては、国語についてはいたずらに劣等感を持つことなく、理科や数学を伸ばせば良いでしょう。幸いにして日本は、理数が得意な人に対する大学の門戸は広くなっています。