「小学校の時は、勉強で困ることはなかったのに、中学校に入ったら、成績ががくんと下がった。」「学校の授業が難しくてついていけない」「覚えることがありすぎて大変」「中間テスト、期末テストの点数が悪くてショックだった」
そういった声を、保護者や中学1年生自身から聞くことがあります。こうしたことの解決方法をいろいろと考えてみます。
考えられることの1つめ。
小学校の学習内容は簡単です。授業は易しくテストの平均点も高いです。小学校ではごくごく基本的なことを教えます。クラスの全員が身につけなければならない、ものすごく基本的なことを時間をかけて丁寧に授業でやるのです。ですから、小学校の授業が難しいという小学生はあまりいません。分かって当たり前、できて当たり前な世界なのです。小数や分数の計算は若干難しいですが、あれも計算練習をすれば必ずできるようになります。昔と違って、小学校の先生は宿題を出さない、計算練習や漢字の書き取り練習も指示しないので、身についてない小学生・中学生は多くいますが、小学校の算数の授業では、小数と分数の計算ができなくても困ることなく進んでいきます。
小学校の勉強はできて当たり前なのに、その小学校の勉強と中学校の勉強を比べて分からなくなったということ自体が間違っています。
考えられることの2つめ
子ども自身は、小学校の勉強が分かったつもりになっていても、本当はそんな気がするだけで、よくわかっていなかった。小学校のテストは簡単なので、自分の学力が低いことに気づかなかった。
考えられることの3つめ
小学校のときは、時間がたっぷりあって家庭学習も行えたが、中学生になり、部活が忙しくなった。体の成長期ということもあって、授業中眠くなることもある。家でもすぐに寝てしまう。勉強時間が確保できず成績が下がった。
考えられることの3つめ
小学校の勉強は小テストの積み重ねだったが、中学校は中間テスト・期末テストという一発勝負。気持ちを切り替えて、テスト対策やテスト勉強を集中して行うことに慣れていなくて成績が下がった。
考えられることの4つめ
中学校の勉強に対応できるだけの頭脳となっていない。理解に時間がかかる。暗記力が弱い。
こうしたところでしょうか。
対処として、まずは生活習慣を見直すことです。ゲームやテレビに時間を費やしている中学生は、成績がよくありません。ゲームも普通に遊ぶけれど勉強もしっかりやっているという中学生は、部活動の時間が少ないから可能なのです。毎日、部活動で学校の帰りが夜の6時過ぎになり、土日も部活動がある中学生は、ゲームは一切やめるべきです。テレビもだらだらと見ずに、見たい番組だけを見て、スイッチはすぐに消しましょう。勉強とゲームなどの娯楽の両立はできます。勉強と部活の両立もできます。けれども勉強と部活と娯楽の3本だては絶対に無理です。
ほかには、小学校の復習をしっかり行うことです。理科と社会は小学校の復習はいりません。大したことを習ってません。やるべきは算数の計算と漢字の書き取りです。算数の計算はみっちりとやりましょう。時間はかかるが解けるレベルではだめです。10問中8問は当たるレベルでもだめです。20問中19問はできて、しかも素早い計算が必要です。国語の漢字も書けるようにすること。この2つが勉強の基礎です。
そしてよく寝ること。学校の授業中、眠くならないように、毎日しっかり寝ること。
習い事があったり、学校までの距離があって通うのに時間がかかる場合などは、部活動をやめることも検討してください。部活動なんてものは、学校が生徒を効果的に管理したいからやっているのであって、あれは内申書に全く関係ありません。