夏休みの自由研究

夏休みの理科の自由研究「紫外線」

紫外線を測る自由研究

理科の自由研究で「紫外線」をテーマとした自由研究は、準備に簡単で人気があります。
太陽の放つ光のうち、私たちが肉眼で見ることができないものには赤外線と紫外線があります。夏は太陽からの光の量が増えるので、紫外線の量もそれに応じて増えるわけです。
紫外線は殺菌や消毒という効果があります。これらは私たちにとってとても役に立つ働きです。紫外線が私たちの健康に役立つものとしては、ほかにビタミンDの生成があります。紫外線が体に当たることで、体内にビタミンDが作られるのです。あとは紫外線が体に当たることで、血の巡りがよくなり、新陳代謝が活発になるという働きもあります。
これとは逆に、紫外線が私たちの健康に悪影響を及ぼす場合もあります。紫外線に長時間当たっていたり、強い紫外線を浴びたりすると、皮膚のシミそばかすの原因になったり、皮膚がんの原因になったりします。紫外線が目に悪い作用を働かせることもあります。紫外線によって視力が落ちたり、白内障という失明の恐れのある病気になったりもします。紫外線から目を守るため、夏にサングラスをかけるのはこのためです。
こうした私たちの健康に大きな影響を及ぼす紫外線を調べることは、理科の自由研究の中でも、とても有意義なテーマなのです。

紫外線の実験の概要

紫外線をテーマとした理科の自由研究は、紫外線測定器を使った実験と観察から、身の回りにあるものを使って行う実験と観察までいろいろあります。ここでは身の回りのものを使った紫外線の自由研究のやり方を述べます。
まず、実験の大きなテーマですが、これは紫外線の測定です。測定はバナナの皮を使って行います。バナナを太陽の光に当てると、2時間ほどで茶色から焦げ茶色へと変色します。この性質を利用して実験と観察を行うのです。
正午前後の日差しが強い時間帯や夕方の日差しが弱まった時間帯に、直射日光をバナナの皮に当てます。また、同じ時間帯に直射日光をバナナ皮に当てない実験も同時に行います。他には、曇りの日や雨の日の紫外線も、バナナの皮で調べます。また、太陽の光以外に蛍光灯のすぐそばに置いたり、LEDのそばにおいたり、テレビの側に置いたりもします。

紫外線のさまざまな測定

1.自由研究の実験で用意するもの
バナナの皮、アルミホイール、赤色や緑色や青色や黄色のセロハン紙。デジタルカメラ、サランラップ、UVカットのガラス(サングラスや自動車のフロントガラスなどがそうです。)
2.自由研究の実験は必ず比較・対照させて行う
バナナの皮の色の変化によって紫外線の強さを測定するときに大切なのが、実験は同時並行に行うということです。そして実験観察の様子、バナナの皮の変化の様子は、デジタルカメラを使って実験ごとに何枚も写真に撮り、自由研究のまとめノートに整理して貼ることも大切です。実験の様子の撮影では、実験をしたときの天候や日差しの強さを写真に収めます。ただし、決して太陽を直接写真に撮ろうとしてはいけません。太陽をファインダーで覗いたら視力を落とす危険性があります。庭や部屋を写真に撮って日差しの明るさ、強さを撮るのです。
次に、紫外線の自由研究でどんな実験を行えばいいのか、項目ごとに説明していきます。
A.お昼と夕方の紫外線の強さの比較
お昼の2時間と太陽が西に傾いた夕方の2時間、それぞれバナナの皮を直射日光にさらして色の変化を比較します。また、それと同時に直射日光にさらさないバナナの皮も、色の変化を調べます。
昼の時間帯に直射日光にさらしたバナナの皮、昼の時間帯に直射日光にさらさなかったバナナの皮、夕方の時間帯に直射日光にさらしたバナナの皮、夕方の時間帯に直射日光にさらさなかったバナナの皮の4種類の色の変化を比較します。
B.アルミホイールにくるんだバナナの皮、セロハン紙を貼ったバナナの皮の比較
バナナの皮の色が変化しやすいお昼の時間帯、直射日光が当たるところで実験を行います。アルミホイールにくるんだバナナの皮、黒のビニール袋にいれたバナナの皮、サランラップでくるんだバナナの皮、バナナの皮のいくつかの部分に、赤、青、緑、黄、黒などのセロハン紙を貼ったものをそれぞれ日光に当てて、色の違いを比較します。
C.太陽の日差し以外の光を当てての比較
蛍光灯、LED電球、電球、テレビの光のすぐそばにバナナの皮を置いて色の変化を調べます。色がほとんど変わらないものが多いかもしれませんが、光に当てる時間はほかの実験と同様、2時間とします。
D.紫外線カットのガラスでの比較
紫外線カットのガラスというと自動車のフロントガラスがあります。自動車の車内、ダッシュボードの上にバナナの皮を置きます。ダッシュボードの上のバナナの皮に直射日光が当たらなければ、車外の直射日光の当たらない場所にもバナナの皮を置いて比較します。ダッシュボードに光が当たるなら、車外のバナナの皮も光が当たるようにします。
E.たくさんの光を集めてバナナの皮に当てる
幾枚もの鏡を使って日なたの一箇所に光を集め、そこにバナナの皮を置きます。光を集めていない日なたのところにもバナナの皮を置いて比較します。
F.いろいろな処理をしたバナナの皮
日焼け止めのクリームを塗ったバナナの皮や、日焼けを促すクリームを塗ったバナナの皮、油を塗ったバナナの皮、何もしないバナナの皮を日光に当てて比較します。

以上が「紫外線の測定」をテーマとした理科の自由研究です。「紫外線の測定」は、小学生でも行える自由研究ですが、紫外線とは何か、紫外線の働きなどの知識や情報を実験のまとめに付加することで、中学生の自由研究としても充実した内容になります。自由研究のまとめ方は、「氷の溶け方」の自由研究のページを参考にしてみてください。