夏休みの自由研究

夏休みの数学の自由研究

夏休みの数学の自由研究

夏休みの自由研究は理科の実験・観察や社会の調べものが定番ですが、学校によっては数学の自由研究を出題するところもあります。
数学が好きで得意な小学生・中学生ならば、学校で学ぶ学習内容以外の数学的世界について積極的に調べたりするでしょう。
けれども、数学が普通の小学生・中学生や数学が苦手な小学生・中学生には、学校の学習内容を超えた数学世界についてあれこれ考えたり調べたりするのはやっかいです。
数学の力が普通の生徒や数学が苦手な生徒には、 数学の自由研究は、理論や複雑な計算を必要としない実験系のものがおすすめです。そして実験は、面積を測ったり体積を測ったりするようなものが数学らしくでいいです。

さまざまな容器の体積を測る

数学の自由研究の一例として「容器の体積の測定」を紹介します。容器はさまざまな形のものを使います。容器の形としては、円柱・直方体(四角柱)・立方体(さいころ)・球・三角柱・円錐・四角推・三角錐(四面体)・六面体・八面体などがありますが、これらの容器を画用紙などで作成し、容器の中に水を汲み入れて体積を測ります。
自由研究の実験にあたって用意するもの・・・ はかり、画用紙、ろう、接着剤、カッター、はさみ、水の質量を測る容器など。

それぞれの容器の体積の比較

1.円柱と円錐の体積の比較
底面積と高さが等しい円錐と円柱を作ります。たとえば、底面積は直径10㎝の円、そして高さが15㎝の円柱と円錐です。
この容器に水を入れるわけですが、画用紙が水に濡れてふやけてだめになってしまうので、画用紙の片面にはろうを塗るなどして、水をはじくようにします。
そして、円錐に水をいれ、その水を、サラダボウルや鍋などにあけて、質量を測ります。水は1g=1立方センチメートルなので、500gの質量ならば500立方センチメートルになります。
すると円柱の体積は円錐の体積の3倍であることがわかります。円錐はてっぺんのとんがりが、円の中心の真上にこない、いびつな形でもきっかり3倍になることも合わせて確かめるとよいでしょう。
2.直方体(四角柱)と四角推
直方体(四角柱)というのはティッシュの箱のような形のものです。四角推というのはエジプトのピラミッドのように底面積が四角形で、とんがった形のものです。
これも1と同じように底面積を同じ大きさ、高さも同じ高さにします。すると四角推の3倍の体積が直方体(四角柱)の体積になるのがわかります。
同じことを三角柱と三角錐(四面体)でも行います。こちらも3倍の関係になります。
3.球の体積と円柱の体積
球の体積は独特な数字になります。球はきれいな球形を作る必要はありません。球を半分にした半球を作ります。この半球に水を2杯分入れたものが、球の体積です。大きさですが、球が円柱にぴったりと密着するような大きさにします。半径が10㎝、すなわち直径が20㎝の球ならば、円柱の大きさは、底面が半径10㎝の円であり、高さは球の直径と同じ20㎝です。すると、円柱の体積は球の体積のちょうど2分の3倍(1.5倍)になります。

数学の自由研究のまとめ方

1.自由研究のタイトル
研究のテーマを書きます。「様々な容器の体積の測定」とかです。
2.数学の自由研究で、このテーマを選んだ理由
なぜ容器の体積を調べようと思ったのかを書きます。数学で体積の求め方が苦手だから克服のきっかけになればいいいと思ったとか、計算だけでなく実際に実験してみて確かめようと思ったとかでいいです。
3.自由研究での実験の方法
厚紙や画用紙でどんな大きさの容器を作ったか、具体的な数字を書きます。作った容器はデジカメで写真を撮るのもよいでしょう。そして、各容器の体積を表にまとめます。
4.自由研究の実験結果と体積を求める計算での数値との比較
数学の自由研究の実験で測定した体積が、数学での体積を求める式を使って出した値と比べてどうなのかをまとめます。
5.数学の自由研究の実験を通じて気づいたこと
三角錐や四角錐、円錐は三角柱、四角柱、円柱の3分の1になることや、球の体積は円柱の体積の3分の2倍になることを書きます。そして、数学が得意な中学生は、高校で習う積分の考え方を持ちだして、なぜ3分の1になるのかの説明を加えてもいいでしょう。
6.数学の自由研究の実験の反省点や今後の希望
実験での反省点、この実験を今後の数学の学習にどう生かしていきたいかなどを書きます。
以上の流れで書きますが、数学の自由研究じたいが大変なので、実験の説明や感想はあっさりした内容でもかまいません。数学らしく、長さや面積、体積といった数値をしっかりと書きこむを何より注意してください。

数学の自由研究のさまざまな例

数学の自由研究は、大きく分けて実験と調べものの2つがあります。数学の自由研究というと何か難しい理論を学びながら行っていかなければならないイメージがありますが、そんなことはありません。日常生活のできごとや現象と数学との関連を扱えば簡単にできます。
1.実験をテーマとした数学の自由研究
・円周率の測定
さまざまな円を作り、それらの円周率が3.14であることを確かめます。
・ルート
面積が1平方センチメートルの正方形の一辺の長さ、2平方センチメートルのときの正方形の一辺の長さ、3、4、5、6・・・と求めていきます。ルートについては中学3年生で習うので、調べものの自由研究でもあります。
・日常生活での一次関数
ろうそくを燃やしたときの時間とろうそくの残りの長さについての関係をグラフにします。また、バケツの底に小さな穴をあけ、そのバケツに水をいっぱいまで貯めて、残りの水かさと時間の関係をグラフにします。
2.調べものをテーマとした数学の自由研究
数学の計算を扱わない調べものがやりやすいです。数学のゼロの発見、数学の歴史、偉大な数学者のエピソードなどは、数学の計算や論理的な証明を使わないのでやりやすいです。偉大な数学者はいろいろいますが、アルキメデスやガウスがユニークなエピソードを持っています。